いも類文化学ノート
『アメリカ、サツマイモ事情』

The ABCs of
Sweetpotatoes in the USA

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巻頭語

知られざる米国のサツマイモ文化


サツマイモ資料館 館長
井上 浩

アメリカ人のベーリ・ドゥエル先生が、埼玉県の川越市に住むようになってもう20数年にもなるという。先生は川越にある東京国際大学の英語の教授だが、文化人類学の研究にも力を入れられている。

先生は川越に住むことになった時、地元のことを知る方法の一つとしてサツマイモのことを調べることにしたという。そこは江戸時代の昔からそれで有名な所だったからだ。

ところがサツマイモも奥が深い。川越いものことを知るには日本全体のことだけでなく、世界の国々のいも事情にも目を向けなければならなくなってくるからだ。

サツマイモ関係の学会の一つに国際熱帯いも類学会がある。サツマイモも熱帯原産の作物なので、同会の主要研究対象になっている。先生は3年に1回、場所を変えながら世界のどこかの国で開かれる同会にも参加されるようになり、今では世界有数の「いも通」になられている。そのような先生にわが国のサツマイモ関係者が願っていたことは、母国、アメリカのサツマイモ事情についての分かりやすい本を書いて頂くことだった。

川越には市民有志の会「川越いも友の会」、と業者有志の会「川越サツマイモ商品振興会」がある。本書の出版を企画し、実行に移したのは両会の事務局長、山田英次氏だった。川越はわが国のサツマイモ文化をリードしている。それだけにこういう本を世に出すのもこの町の務めの一つであろうと思ったからだという。

本書が多くの人々に読まれ、活用されることを心から願っている。


Copyright by Barry Duell, 1999.


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