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住居・食事・物価

私が住んでいたのは木造2階建アパートの2階、2ベッドルームと称するもので、日本で言えば2LDKに相当しますが面積は日本の3LDK以上はあると思います。賃貸契約書に面積の表示が無いのではっきりした面積はわかりません。大型冷蔵庫、食器洗い機、4口の電気コンロ、電気オーブンそれに駐車場代、水道代込みで家賃は420ドルです。場所はChemeketa Community Collegeから道路を隔てた隣の敷地にあり全部が2階建ての2ベッドルームで20棟位あります。一戸一戸に番地がついており日本のように何々アパートの何号と言うような表示ではありませんので、一応Greenwood Park Apartmentという名前は有りますが、住所に表示する必要はありません。私はまだアメリカで一般の住宅の表札を見たことがありません。もちろんアパートにも各戸の表札はありません。どの住宅も表側の壁あるいはドアに大きく番地だけが表示されています。表札が無いので誰が住んでいるのかわかりませんが、もし誰かの家を探す場合は、住所さえわかれば日本よりもずっと探しやすいと言えます。なぜなら、どんな道路にも必ず名前がついており標識が立っておりますし、住所には必ず道路名が入っているからです。

私がどうやってこのアパートを探したかと言いますと学校側の全面的な援助によるものでした。Student Life Officeという学校の組織があり、留学生の面倒を見てくれます。そこには日本人スタッフ(学生アルバイト)も働いており、私がびっくりしたのは日本で入学手続き中、学校からの電話に日本人が出てきたこと、まったく予期しませんでしたが助かりました。ポートランド空港からセーレムまでのシャトルバスの予約、モーテルの予約もやってくれ、モーテルにチェックインしたその日にアパートを探しに連れて行ってくれました。結局モーテルに3泊したあとアパートに移りましたが、私の貧弱な英語では難しい、電力会社、電話会社、ケーブルテレビ会社への申し込み手続きもやってくれました。私は1人で住みましたが、2ベッドルームの場合ほとんどの学生は2人でshare(共同使用)しており、roommate(共同使用の相手)もStudent Life Officeで見つけてくれます。又ホームステイが希望なら学校に登録している家の所有者に代わって責任者が学生と面接し、その日に入居することも出来ます。ホームステイは1ヶ月、朝夕2食付で300ドルくらいで可能です。

ケーブルテレビを申し込んだのはテニスの放送をたくさん見たかったためですが、標準のチャンネル数契約にもかかわらず、50ものチャンネル数があったのには驚きました。クラシック映画専用チャンネルあり、ミュウジック専用チャンネルあり、スポーツ専用チャンネルあり、Chemeketa Community College専用のチャンネルまであります。テニスのグランドスラム4大大会(オーストラリアンオープン、フレンチオープン、ウインブルドン、USオープン)のシーズンには毎日5,6時間の放映があり、私は全部ビデオテープに録画しましたが、あとで全部見終えるのに日にちがかかりました。もっとお金さえ出せば、チャンネル数はまだまだたくさんありますし、NHKの日本語放送もあります。

ついでに新聞について述べますと、“Oregonian”と“Statesman Journal”が一般に出回っており、学校やスーパーなどで売られています。Oregonianは35セント、Statesman Journalは50セントですが、日曜版は高くなりStatesman Journalは1ドル50セントになりますが特集記事等で分厚くなり、広告もたくさん入って厚さ10センチ以上にもなります。Statesman Journalは土、日、祭日のみの宅配制度がありまして、8週間分で16ドルでしたが私は留学期間後半の1年間それを購読しました。

食事についてですが、私は朝はシリアルに電子レンジで温めた牛乳をかけ、私が唯一出来る料理、目玉焼きを作って食べていました。シリアルは種類が豊富で、聞くところによると一般家庭でも朝はシリアルで済ますところが多いようです。私は料理はまったく出来ませんが、留学直前にワイフから特訓を受け目玉焼きだけは作れるようになりました。その時ワイフから生卵は冷蔵庫に入れても1週間ぐらいしかもたないと言われていましたので、心配していましたが、セーレムのスーパーに行くと6個パックを売っていましたので初めの内はそれを買っていましたが、賞味期限を見ると20日間ぐらいもつ様に表示されておりますので、12個パックを買うようにしました。牛乳も賞味期限は10日間ぐらいあります。生野菜も含めて、アメリカは食品が長持ちするようです。

昼食は学校の食堂で食べるか、あるいはアパートではバナナかラーメン、加えてヨーグルトを食べていました。夕食はテレビディナーを解凍し、毎晩お酒を飲み、おつまみが足りなければチーズか缶詰を肴にしました。テレビディナーというのは小型の弁当を冷凍したようなもので一種の冷凍食品ですが、テレビを見ている間に電子レンジで出来上がるので、そう呼んでいるようです。色々と種類があり買いだめして保管できるので私にとっては便利でした。毎晩飲んでいたビールは、普通のスーパーでも安いんですが私が教えてもらった安売り店では、なんと355ml入り缶ビールが50セントです。日本酒は近くのスーパーで売っていましたが、日本で買うよりも高い。

料理が出来ないため、単調な食生活になりがちですが、そこに彩りを添えてくれたのが、同じアパートの隣の棟に住む韓国人でした。彼女は30代半ば、子供が2人おり、ご主人はアメリカ人で宣教師です。独身の頃、日本に5年間住んだことがあり、日本語には不自由しませんし、アメリカよりも日本のほうが好きな人でして、すぐに彼女と仲良くなりました。料理が好きで、得意で、韓国料理、日本料理、そのほかどんな料理も上手で、しょっちゅう招いてくれたり、料理を届けてくれたり、食生活に変化をもたらしてくれました。

物価についてお話します。家賃、ビール、新聞についてはすでに述べました。学校のカフェテリアでよく60セントのホットコーヒーを飲みましたが、コーヒーは教室の中にも持ち込めます。アメリカでは缶コーヒーを作っておりません、どうして缶コーヒーを売っていないのか不思議に思いました。レストランでは5,6ドルで食事できます、量が日本の倍ぐらいありまして、食べきれないものは持って帰れます。私はハンバーガーでさえ全部食べ切れません。ポテトフライがたっぷり添えてあり、それだけでもお腹がたまります。日本レストランは高いという評判が定着しており、日本食の“京都”と言うレストランがセーレムに2ヶ所ありましたが、1ヶ所は私の滞在中閉鎖になりました。原因は高すぎると言うことで、一般的に10ドルを越すと集客が難しいようです。セーレムには他に“ラーメン一番”と言う日本人夫妻経営の小さなレストランもあります。私はスーパーで売り出しのとき、5個1ドルのカップラーメンを買ったことがあります。売出しを良く調べて買いにいけば、いろいろなものが驚くほど安く買えます。秋に友達と田舎町をドライブしていたら道路際で、とうもろこしを12個1ドルで売っていました。友達にもらって食べて見ましたが、新鮮でおいしく、日本円で1本10円なんて、信じられないくらいでした。

ガソリン代は最近高くなってきたと言って問題になっていますが、それでも日本の半値です。電気代も日本とは比べ物になりません。もったいない経験をしましたので話しますと、最初の年は非常に寒かったため、12月の20日頃キッチンの蛇口が1箇所凍結のため水が出なくなりました。管理人に連絡すると、全部の部屋を24時間暖房しておきなさいと言います。2つのベッドルームとリビングルームにそれぞれ温度調節器があり、リビングルームはキッチンに通じています。私は在宅のときは、使っている部屋だけ暖房し、他の部屋は切っていましたし、学校や友達のところ、買い物など外出のときは、もちろん暖房していませんでしたが、その時から、つけっぱなしにしました。数日後には正月を日本で迎えるため一週間ほど帰国しましたが、遠くアメリカの私のアパートでは主が居ないのに暖房している、と妙な感慨を持ちました。2月末まで毎日24時間暖房はつけっぱなしでしたが、その時でさえ1ヶ月の電気代は60ドルぐらいでした。

映画館に一度だけ入りましたが、昼、ロードショーが3ドル50セントです。夜はちょっと高くなりますが、大勢映画館に足を運ぶ人達がいるからこんなに安く出来るのだろうけれど、テレビで映画やドラマは毎日放映しているし、映画専用のチャンネルもあるのに、どうしてわざわざ映画館に行くのだろうか。私はアメリカ人というのはどこかに出かけるのが好きな人種だと思います。プロスポーツを見れば明らかでしょう。たくさんの種目のスポーツがプロとして成立ち、チーム数も多い。それにしても映画では有名スターは高給ギャラを取り、製作費も莫大であるのに、どうして映画館の入場料をこんなに安く出来るのか不思議でなりません。私の行っていた床屋は5ドルでして、チップが必要ですから1ドル足して6ドル支払っていました。洗髪してくれませんし、顔も剃ってくれず、カットのみで10分で終わりますが、予約は必要です。しかし日本の3800円と比べると、無駄を省き、効率的で、私としてはアメリカ式のほうが良いと思います。切手は、封書、国内33セント、日本へは60セントです。実感として、生活費は日本の半分くらいではないかと思います。